Y.I
高岡MH工場 生産技術
水素を吸収・放出する特性を持つ水素吸蔵合金(=Metal Hydride)。クリーンで再生可能なエネルギーが求められる昨今、社会から大きな注目を集める素材です。高岡事業所では、その新たな製造体制の構築に向けて、若手を中心としたプロジェクトチームが発足しました。情熱あふれる新たな世代の挑戦が、“未来のエネルギーをつくる現場”に火を灯します。

Y.I
高岡MH工場 生産技術

A.T
高岡MH工場 製造

K.M
高岡MH工場 保全

A.N
高岡MH工場 生産技術
水素吸蔵合金の製造工程は、前工程(原料計量→溶解→鋳造→熱処理)と後工程(粉砕・篩分→化学分析・特性測定→梱包・出荷)のふたつに大別できます。高岡事業所では、まず2022年に後工程の製造体制を整えることを目指して、プロジェクトがスタートしました。
A.N
プロジェクトの立ち上げにあたって、まずは以前から水素吸蔵合金の製造を手がけていた小国工場で研修を受けることになりました。その後、新たな機材を導入し、みんなで試運転をしながら、あらためてオペレーションを確認していったかたちです。私自身は、その当時から原料の粉砕工程を担当しています。
Y.I
私は、粉砕工程で用いる機材の保全業務を担当しています。日々のメンテナンスはもちろんですが、何かトラブルがあったとき、それを迅速に解決することが主な役割です。とはいえ、私自身もはじめて扱う機材だったため、小国工場のみなさんに電話でアドバイスをいただきながら、少しずつ技術を身につけていきました。
翌2023年には、前工程を担う製造ラインも始動し、水素吸蔵合金の製造体制が本格的に整いました。溶解や熱処理といった作業を伴う後工程では、前工程以上に厳密な安全管理が求められます。そのため、小国工場で経験を積んだメンバーも新たに加わり、プロジェクトの推進を支えていきました。
A.T
今回のプロジェクトにあたって、小国工場から高岡事業所へと異動してきました。以前も、水素吸蔵合金の溶解や熱処理を担当していたので、そのノウハウをメンバーに共有することも、私に求められる役割だと感じています。特に当初は、安全を第一に考えながら、作業の進め方などを指導していきました。
K.M
まさに私も溶解や熱処理の工程と、そこで用いる機材の保全を担当しているので、Tさんにはよくアドバイスをいただいています。私も小国工場で研修を受けたのですが、やはり長年の経験がなければわからないことも少なくありません。その点でも、ベテランがひとりでもチームのなかにいると、とても心強いですね。
新たな製造ラインが動き出すとき、現場は独特の緊張感に包まれます。しかも、社会的な注目度が高まる素材を手がけるとなれば、なおさらでしょう。慣れない機材や原材料を扱うことへの不安がある一方で、自分たちの手で素材の未来を切り拓いていけるという期待もあったはずです。そんななかで、若きメンバーたちは何を感じていたのでしょうか。
A.N
不安よりも高揚感の方が大きかったですね。新たな事業の立ち上げに携わることがはじめてだったので、そのこと自体にワクワクしていたのかもしれません。このプロジェクトがうまくいけば、事業所全体の成長にも貢献できるし、何よりも社会的なニーズが高まる素材の製造に携われることに、これまでにないやりがいを感じていました。
Y.I
私も同じような気持ちでした。水素吸蔵合金は、現時点で高い需要のある素材です。さらに今後はバッテリーなどへの活用が見込まれることから、カーボンニュートラルな社会の実現に向けて、大きな役割を果たしていくでしょう。そうした将来性のある素材を手がけられることは、ものづくりに携わる者として、大きな喜びです。
もちろん、新たなプロジェクトには困難もつきものです。いざ本格的に製造がはじまると、想定外の機材トラブルに見舞われることも少なくありません。けれど、ある意味ではそこからが本当のスタート。メンバー一人ひとりが知恵を絞り、試行錯誤を重ねながら、目の前の壁をひとつずつ乗り越えていきました。
Y.I
機材トラブルは、たいてい予期せぬタイミングで起こります。けれど、そこで手をこまねいていては、工場全体の生産計画が崩れてしまう。だからこそ、保全部門の仲間たちと協力しながら、常に迅速な対応を心がけてきました。日々のメンテナンスのコツもわかってきたことで、今では目立ったトラブルも減り、安定的な稼働体制が実現しつつあります。
A.T
小国工場は熟練のスタッフが多かったので、どんな事態にも柔軟に対応できました。一方で、高岡事業所は、ここにいるみなさんを含めて若手が中心です。経験の浅いメンバーだけで、どれだけトラブルに対応できるのか、不安があったことも事実です。けれど今から振り返ると、それが功を奏しました。みんなどんどん技術を吸収し、自らの仕事を立派にこなしています。
プロジェクトを通じて、思わぬ収穫もありました。それはメンバー一人ひとりが日本重化学工業という会社の底力に気づけたことです。困難に直面しても、部署や拠点の垣根を越えて支え合う文化があること。変化を楽しむ、前向きな姿勢が共有されていること。そんな会社の魅力を、再確認できました。
K.M
あるとき、メーカーでも原因がわからない機材の不具合が生じたことがありました。藁にもすがる思いで、小国工場の担当者に相談したところ、電話越しの指示だけで、それをいとも簡単に解決しれくれたんです。当社がこれまで培ってきた技術力の高さを、あらためて実感した瞬間でした。私もあんな技術者を目指していきたいですね。
A.T
今の話にも通じますが、当社にはコツコツとまじめに努力できる若手が大勢います。お互いに切磋琢磨しながら、新しい知識や技術をまたたく間に吸収していく。そんな仲間がいるからこそ、現場にも活気が生まれます。
素材の力で、未来を切り拓いていくこと。今回のプロジェクトは、そんな日本重化学工業の姿勢を象徴する取り組みのひとつです。若手が中心となって挑戦を重ね、素材の可能性をさらに広げていく。その試行錯誤のなかで生まれた熱量は、さらに若い世代へとたしかに引き継がれていくはずです。
Y.I
水素はまさにこれからの社会の原動力となり得る、未来のエネルギーです。それを効率的かつ安定的に供給していくことは、「素材の会社」である私たちだからこそ果たせる、大切な使命だと感じています。私自身も、そのための製造体制をより盤石なものとするために、これからもひたむきに努力を重ねていくつもりです。
A.N
私も同感です。プロジェクトは一段落しましたが、ここがゴールではありません。製造プロセスの自動化をはじめ、まだまだ取り組むべき課題は数多くあります。だからこそ、新しい視点で物事を考えてくれる仲間が、もっともっと必要だと感じています。素材の力を信じてともに未来をつくっていける。そんな人と一緒に働けたら嬉しいですね。
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