S.O
エネルギー・
環境事業統括部
統括部長
日本重化学工業は、岩手県松尾八幡平地域の地熱発電事業化を目指して岩手地熱株式会社(岩手県八幡平市)を設立、同社株主として地熱発電所建設PJに参画し、系統連系、発電所建設、試運転等の一翼を担い、営業運転開始後も運転管理業務を通じて地熱発電所の安定運転に努めています。
本プロジェクトは、同社長期エネルギー戦略の中で、地熱を“次の主力電源“として位置づけた取り組みであり、構想段階から取り組みを担った統括部長と運転・管理・保守を担った若手メンバーの取り組みと成果を語ります。

S.O
エネルギー・
環境事業統括部
統括部長

S.H
エネルギー部
地熱グループ 主任
地熱は、日本の地下に眠るエネルギー資源を有効活用した純国産エネルギーで、気象条件に左右されにくい安定電源です。地域と共存する電源モデルの確立を目的に計画が始まりました。
S.O
当社は、国内の商業用地熱発電所初となる松川地熱発電所を建設したパイオニアとして、以前から地熱発電に関する技術を確立していましたが、当時は政策や市場の状況により新規開発の機会が限られていました。
そうした中でも、日本のエネルギー供給を将来にわたって支える電源として地熱を再評価し、岩手地熱株式会社の各株主とともに国内では22年ぶりとなる出力7MW級の地熱発電所建設に踏み切ったのが、このプロジェクトです。
再生可能エネルギーでの中でも、地熱は季節や天候に左右されずに24時間安定した電力を発電できる特長があります。この強みを活かし、松尾八幡平地域での地下資源をベースとした電源ポートフォリオを構築する。これがこの計画の根幹でした。
S.H
「地熱をベースとする」、その目標はまさに当社らしいと感じます。当時は他の再生可能エネルギーも注目されているなかで、調査・開発に時間を要する地熱を選んだことは大きな決断だったと思います。
S.O
エネルギー政策の変化を先読みし、社会が必要とする電源を自らの手で構築する。その意思を持って進めたプロジェクトでした。
2018年、松尾八幡平地熱発電所が試運転を開始。運転・保守・管理を担ったのは若手を中心とする少数精鋭のチームでした。
現場では、発電出力・坑口圧力・蒸気流量・熱水流量などの挙動を細かく検証し、安定運転を実現するためのデータを積み上げていきました。
S.H
試運転では設備の応答への対応も重要ですが、地熱発電では自然そのものである地熱井の対応も重要です。特性や挙動をつかもうとデータを整理し、なんとか糸口をつかもうとしました。わからない際は先輩達に聞き、少しずつデータと知見を増やしてきました。
現場は豪雪地帯にあり、自然環境も過酷でした。そのなかで限られた人員で安全に運転を維持・継続できるよう意見を出し合い、工夫を重ねて乗り超えてきました。
S.O
地熱発電は、現場対応力が非常に重要です。蒸気の状態、機器の特性、運転データ、それぞれが連動して発電効率に影響します。 試運転の中で得た知見は、営業運転開始後の安定運転に大きく貢献しています。
S.H
日々の運転を通して、数字の裏にある現象がわかるようになってきました。経験を積み、原理が理解できるようになると、設備の変化が見えてくるようになります。地熱発電は様々な分野の知見が必要であり、また現場の感覚も必要な難しい業務であると感じます。
現在、松尾八幡平地熱発電所は安定稼働を続けています。
この取り組みで得られた知見は、今後の再生可能エネルギー戦略を支える重要な資産となっています。
S.O
地熱は、再生可能エネルギーの中でも安定供給に優れた電源です。他の再生可能エネルギーと組み合わせることで、季節や時間帯による出力変動を補完し合う関係が築けます。
これからのエネルギー構成で、地熱は欠かせない電源になると考えています。
S.H
技術継承も重要と感じます。現場で得たデータやノウハウを体系化することで、今後の保守や次のプロジェクトに役立てることができます。若い頃から運転に携わることで、成長に繋がり、技術も継承していけると思います。
S.O
時間をかけて積み上げる事業だからこそ、人材育成と知識の共有が最も重要です。
技術を受け継ぎながら、新しい地域や領域で活かしていく。そのサイクルを定着させることが、長期的な競争力につながると考えています。
S.H
地熱の可能性を我々はまだ引き出し切れていません。日本は世界有数の地熱ポテンシャルがあり、まだまだ活用の余地があると感じます。自分達の経験をもとに新たに価値を想像できるように取り組みたいと思います。
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